出典:Okada M, Tateishi Y, Nojiri E, et al.
Multistate Structure Determination and Dynamics Analysis Reveals a Unique Ubiquitin-Recognition Mechanism in Ubiquitin C‑terminal Hydrolase
要旨
タンパク質の空間的ダイナミクスを視覚化し、過渡的なコンフォメーションをその分子機能と関連付けることは未だに困難です。
本研究では従来のNOEに加えて、常磁性残基導入や配向タンパク添加による複数の種類のNMRデータを用いて多状態コンフォメーションを推定する新しいNMRタンパク質構造決定法が開発されています。
これらのデータを構造計算に統合することで、生体高分子の正確なアンサンブル構造を明らかにすることが可能になり、酵母ユビキチン加水分解酵素1に適用したところ、ユビキチン認識とタンパク質分解の活性部位に蓋をするN末端(ゲーティングリッド)とクロスオーバーループとの間に大きな変位を伴うダイナミクスが見られました。
CYANAを活用したタンパク質のDynamics解析
大きな動きを伴うコンフォメーション分布の可視化には、単一のコンフォメーションではなく、複数の状態を考慮したアンサンブル構造計算が必要です。
そこで、この論文ではCYANA本来のeNOEを用いた構造strainに加えて、ミューテーションによって常磁性金属錯体を導入したタンパクで得られたPCS(擬コンタクトシフト)、PCS(常磁性コンタクトシフト)やPRE(常磁性緩和)の異方性、ならびにpfIを添加して部分的に配向したタンパクで得られたRDC(残余双極子結合)の影響を新たに取り込んでCYANAの多状態構造計算機能を拡張し、5状態のアンサンブル平均として最適な構造分布を導くことによってタンパク質構造のDynamicsの合理的推定を実現しました。
CYANA の拡張にあたっては開発者であるDr. Peter Güntertも共同研究者として携わっています。
CYANAについて
CYANAはPeter Güntert, Torsten Herrmann, Christian Mumenthaler, Martin Billeterによって開発されたCANDIDアルゴリズムを用いた、自動NOESY帰属とタンパク質構造計算を行う、有名なタンパク質用構造解析・計算プログラムです。
当社ではバージョン2.1を販売。ご購入後に最新版3.98.13への無償アップグレードも可能です。
※ライセンスの期間は無制限です。
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Okada M, Tateishi Y, Nojiri E, et al.
Multistate Structure Determination and Dynamics Analysis Reveals a Unique
Ubiquitin-Recognition Mechanism in Ubiquitin C‑terminal Hydrolase
Journal American Chemical Society (2025) 147 (33): 29884–29894.
doi: 10.1021/jacs.5c06502
https://pubs.acs.org/jacsat/article/147/33/29884/3738102/Multistate-
Structure-Determination-and-Dynamics
CYANAの詳細はこちらから
https://www.las.jp/cyana.html